ラクマも宜しくお願い致しますm(__)m
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image credit:Reddit
グーグルで「世界一危険なおもちゃ」と検索すると、スクリーンには「The Gilbert U-238 Atomic Energy Lab」と出てくることだろう。
これは、アメリカで1950年に発売された「子供用原子力研究セット」だ。A.C ギルバート(A.C Gilbert)というアメリカ人元アスリートの玩具開発者により発明されたこのおもちゃは、現在シカゴの科学産業博物館に展示されている。
名前からして危険な匂いのするこのセットの中には、放射線ウランが入っており、このキットで遊ぶ子供たちが核分裂を体験できるようになっている。
結果としては、あまり売れず数年後には発売停止になったが、どのようなものだったのか、危険性はなかったのかなど詳しく見ていこう。
The World's Most Dangerous Toy | Object of Intrigue
子供用原子力研究セットの中身
スーツケース型になっている長方形の赤い箱を開けると、まず目に飛び込んでくるのが蓋の内側に描かれている少年のイラストだ。
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image credit: youtube
その絵は、まさにこのキットを体験している姿であり、箱の中身に視線を移すと、3つの放射線源とウラン鉱石4種の他、ベータアルファ(Pb-210)、ガンマ(Zn-65)、ショートアルファ (Po-210)が同梱されているのがわかる。
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image credit: youtube
また、わかりやすく漫画で学べる原子力入門書やマニュアル、ガイガー計数管、検電器、レンズの付いたチューブ型スピンサリスコープ、エレクトロスコープ、その他アルファ粒子のモデルを作成できるゴム製の赤や緑の小さなボールもある。
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image credit: youtube
更に、これらの放射性物質から生み出される放射線を観測するための「ウィルソン霧箱」という装置も入っている。
ウィルソンの霧箱を使って放射線を観測
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箱の中に同梱されてあるウィルソンの霧箱は、チャールズ・ウィルソン氏が発明したもので、様々な粒子や放射線観測、宇宙線や原子核衝突の研究など、多岐にわたる用途で用いられてきた。
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image credit: youtube
子供用の実験キットに同梱されているあたり、おもちゃと称するにはかなり本格的であるが、これを使う子供たちは実際にウィルソンの霧箱の中に霧を満たして放射線物質を置くと、そこから生み出される放射線の動きを観測することができるのだ。
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image credit: youtube
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image credit: youtube
また、スピンサリスコープを通してアルファ崩壊のきらめきを見ることができるだけでなく、エレクトロスコープを通しても、ベータ、アルファもしくはガンマなどのソースやウラン鉱石を使用して、電離放射線がどの程度のレベルかを観測することができるという。
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image credit: youtube
開発会社「危険性はない」と主張するも、発売停止に
当時、このおもちゃを開発したA.Cギルバート社は、子供たちがこのキットで遊んでも危険性はないと主張していたが、実際にはかなり低いレベルではあるが、放射線は放出されていたとのことだ。
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image credit: youtube
結局、このおもちゃの製造は1950年、1951年のみで、販売数は5000個以下に留まり、売れ行きが芳しくなかったことから間もなくして発売停止になったという。
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その原因は、子供が遊ぶには危険すぎるというよりも、当時の販売価格が50ドルと高額だったからだ。ちなみに当時の50ドルは、今日でいうと520ドル(約55,000円)ほどであり、子供のおもちゃにしては高すぎると思う人が多かったのだろう。
そしておそらく、今このようなおもちゃが発売されたとしたら、クレーム殺到必至だろう。
現在は、「世界で最も危険なおもちゃ」としてシカゴの科学産業博物館に展示されているが、これはまさにパンドラの箱のようなワクワク感を含んだ科学技術のブラックボックスのようなものだといえよう。ただし、そこには隠れたリスクがあるということを忘れてはならない。
References:Nag On The Lakeなど
☆これはめちゃ欲しいねんけど!
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image credit:Reddit
グーグルで「世界一危険なおもちゃ」と検索すると、スクリーンには「The Gilbert U-238 Atomic Energy Lab」と出てくることだろう。
これは、アメリカで1950年に発売された「子供用原子力研究セット」だ。A.C ギルバート(A.C Gilbert)というアメリカ人元アスリートの玩具開発者により発明されたこのおもちゃは、現在シカゴの科学産業博物館に展示されている。
名前からして危険な匂いのするこのセットの中には、放射線ウランが入っており、このキットで遊ぶ子供たちが核分裂を体験できるようになっている。
結果としては、あまり売れず数年後には発売停止になったが、どのようなものだったのか、危険性はなかったのかなど詳しく見ていこう。
The World's Most Dangerous Toy | Object of Intrigue
子供用原子力研究セットの中身
スーツケース型になっている長方形の赤い箱を開けると、まず目に飛び込んでくるのが蓋の内側に描かれている少年のイラストだ。
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その絵は、まさにこのキットを体験している姿であり、箱の中身に視線を移すと、3つの放射線源とウラン鉱石4種の他、ベータアルファ(Pb-210)、ガンマ(Zn-65)、ショートアルファ (Po-210)が同梱されているのがわかる。
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また、わかりやすく漫画で学べる原子力入門書やマニュアル、ガイガー計数管、検電器、レンズの付いたチューブ型スピンサリスコープ、エレクトロスコープ、その他アルファ粒子のモデルを作成できるゴム製の赤や緑の小さなボールもある。
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更に、これらの放射性物質から生み出される放射線を観測するための「ウィルソン霧箱」という装置も入っている。
ウィルソンの霧箱を使って放射線を観測
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箱の中に同梱されてあるウィルソンの霧箱は、チャールズ・ウィルソン氏が発明したもので、様々な粒子や放射線観測、宇宙線や原子核衝突の研究など、多岐にわたる用途で用いられてきた。
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子供用の実験キットに同梱されているあたり、おもちゃと称するにはかなり本格的であるが、これを使う子供たちは実際にウィルソンの霧箱の中に霧を満たして放射線物質を置くと、そこから生み出される放射線の動きを観測することができるのだ。
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また、スピンサリスコープを通してアルファ崩壊のきらめきを見ることができるだけでなく、エレクトロスコープを通しても、ベータ、アルファもしくはガンマなどのソースやウラン鉱石を使用して、電離放射線がどの程度のレベルかを観測することができるという。
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開発会社「危険性はない」と主張するも、発売停止に
当時、このおもちゃを開発したA.Cギルバート社は、子供たちがこのキットで遊んでも危険性はないと主張していたが、実際にはかなり低いレベルではあるが、放射線は放出されていたとのことだ。
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結局、このおもちゃの製造は1950年、1951年のみで、販売数は5000個以下に留まり、売れ行きが芳しくなかったことから間もなくして発売停止になったという。
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その原因は、子供が遊ぶには危険すぎるというよりも、当時の販売価格が50ドルと高額だったからだ。ちなみに当時の50ドルは、今日でいうと520ドル(約55,000円)ほどであり、子供のおもちゃにしては高すぎると思う人が多かったのだろう。
そしておそらく、今このようなおもちゃが発売されたとしたら、クレーム殺到必至だろう。
現在は、「世界で最も危険なおもちゃ」としてシカゴの科学産業博物館に展示されているが、これはまさにパンドラの箱のようなワクワク感を含んだ科学技術のブラックボックスのようなものだといえよう。ただし、そこには隠れたリスクがあるということを忘れてはならない。
References:Nag On The Lakeなど
☆これはめちゃ欲しいねんけど!