ラクマも宜しくお願い致しますm(__)m
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image credit:Canterbury Museum
ヨチヨチ歩きで愛くるしく、性別にとらわれない愛情を育むペンギンは、今も昔も水族館の人気者だが、太古の昔には人間サイズの巨大なペンギンが何種類か存在していたことが確認されている。
今回、ニュージーランドの南島で発見された化石は、クロスヴァリア・ワイパレンシス(Crossvallia waiparensis)という種の巨大ペンギンだ。
暁新世(6600万年から5600万年前)のものと推測されており、全長160センチと人間の女性並みの大きさで、体重は80キロほどだという。
想像してごらん。水族館に自分の身長とほぼ大きさのペンギンたちがヨチヨチ歩いている様を。彼らは既に絶滅してしまっているが現世で出会いたかった。
発見場所は絶滅した巨大生物のホットスポット
この巨大ペンギン「クロスヴァリア・ワイパレンシス(以下C・ワイパレンシス)の脚の骨の化石は、アマチュアの古生物学者リー・ラブ氏が、ニュージーランド・カンタベリーのワイパラという町で発見したものだ。
このあたりではすでに絶滅してしまった古代の巨大生物が数多く発掘されることで有名なところ。世界最大のオウムをはじめ、巨大ワシ、巨大ツギホコウモリ、恐鳥モア、5種の巨大ペンギンと巨大のオンパレードだ。
C・ワイパレンシスとコウテイペンギンの関係は?
現生のペンギンで最大の仲間は、全長1.2メートル程度のコウテイペンギン(Aptenodytes forsteri)なのだが、C・ワイパレンシスとの関係はそれほど近いわけではない。
むしろ一番近い親戚は、同じく暁新世だが、南極に生息していたクロスヴァリア・ウニエンウィリア(Crossvallia unienwillia)だ。じつは当時、ニュージーランドと南極は陸続きで、しかも暖かかった。
クロスヴァリア属が生きていた頃、ニュージーランドと南極は今とはまるで違っていました。南極は森に覆われており、どちらも今よりずっと暖かい気候でした
と研究著者の1人、カンタベリー博物館のポール・スコフィールド氏は話す。
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コウテイペンギン Image by Siggy Nowak from Pixabay
現生ペンギンとは異なる骨格
クロスヴァリア属の足の骨は現生のペンギンと大きく異なっている。
解剖学的な研究から明らかになったのは、クロスヴァリアは今のペンギンよりも泳ぎに足を多用していたか、あるいはまっすぐ直立した姿勢に適応していなかったか、どちらかであることだ。
こうした発見は、6600万年前に非鳥類型恐竜が絶滅して程なくペンギンが巨大化したさらなる証拠でもある、とカンタベリー博物館のヴァネサ・デ・ピエトリ氏は言う。
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image credit:Canterbury Museum
なぜかつてのペンギンは巨大で、今のペンギンは小さいのか?
海鳥にとって大きな体にメリットがあるのは特に驚きではない、と説明するのは米ブルース博物館のダニエル・クセプカ氏(研究には不参加)だ。
一般に、大きな動物ほど、体温維持の効率性が上がり(ペンギンにとって非常に重要)、深くかつ長い間潜っていられるようになります。エサの選択肢も増えるし、小さな敵から身を守りやすくもなります。
大きな体が有利だというのならば、なぜ今日のペンギンは小さくなってしまったのか?
その答えははっきりとしておらず、今も研究が進められている最中だ。
だが、アシカなどのひれ足動物の台頭が大きな要因だった可能性がある。彼らが周辺の海で勢力を伸ばし始めた時期は、巨大ペンギンが姿を消し始めた時期でもあるのだ。
ひれ足動物は捕食者や同じエサを狙う競合者としてペンギンと争っただけでなく、巣を作るために必要な繁殖地をも奪い去ったのかもしれない。
![antarctica-940554_640_e]()
Image by melissa2760 from Pixabay
史上最大のペンギンは?
ちなみに、どんな世界にも上には上がいるもので、じつはC・ワイパレンシスは史上最大のペンギンではない。
ペンギン界史上最大の座は4800~3500万年前の始新世に存在したココロイデスペンギン(Palaeeudyptes klekowskii)だ。こちらは身の丈2メートル、体重115キロというさらに巨大なペンギンだ。
同じく始新世、南極とニュージーランドの海岸には、身長が180センチほどのアンスロポルニス(Anthropornis)なども存在していたそうだ。
なお、カンタベリー博物館は今年、古代の巨大鳥の化石展を予定してるそうなので、興味のある人はニュージーランドの観光ついでに立ち寄ってみるといいかもだ。
以下はカンタベリー博物館のサイト上で公開されているC・ワイパレンシスと女性の3Dモデルである。ドラッグすることで視点を変更することができる。
この研究は『Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology』(8月12日付)に掲載された。
References:Newly Discovered 'Monster' Penguin Was As Tall As an Adult Human | Live Science/
☆今、生きて立って乱獲して絶滅寸前にしとるわい!
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image credit:Canterbury Museum
ヨチヨチ歩きで愛くるしく、性別にとらわれない愛情を育むペンギンは、今も昔も水族館の人気者だが、太古の昔には人間サイズの巨大なペンギンが何種類か存在していたことが確認されている。
今回、ニュージーランドの南島で発見された化石は、クロスヴァリア・ワイパレンシス(Crossvallia waiparensis)という種の巨大ペンギンだ。
暁新世(6600万年から5600万年前)のものと推測されており、全長160センチと人間の女性並みの大きさで、体重は80キロほどだという。
想像してごらん。水族館に自分の身長とほぼ大きさのペンギンたちがヨチヨチ歩いている様を。彼らは既に絶滅してしまっているが現世で出会いたかった。
発見場所は絶滅した巨大生物のホットスポット
この巨大ペンギン「クロスヴァリア・ワイパレンシス(以下C・ワイパレンシス)の脚の骨の化石は、アマチュアの古生物学者リー・ラブ氏が、ニュージーランド・カンタベリーのワイパラという町で発見したものだ。
このあたりではすでに絶滅してしまった古代の巨大生物が数多く発掘されることで有名なところ。世界最大のオウムをはじめ、巨大ワシ、巨大ツギホコウモリ、恐鳥モア、5種の巨大ペンギンと巨大のオンパレードだ。
C・ワイパレンシスとコウテイペンギンの関係は?
現生のペンギンで最大の仲間は、全長1.2メートル程度のコウテイペンギン(Aptenodytes forsteri)なのだが、C・ワイパレンシスとの関係はそれほど近いわけではない。
むしろ一番近い親戚は、同じく暁新世だが、南極に生息していたクロスヴァリア・ウニエンウィリア(Crossvallia unienwillia)だ。じつは当時、ニュージーランドと南極は陸続きで、しかも暖かかった。
クロスヴァリア属が生きていた頃、ニュージーランドと南極は今とはまるで違っていました。南極は森に覆われており、どちらも今よりずっと暖かい気候でした
と研究著者の1人、カンタベリー博物館のポール・スコフィールド氏は話す。
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コウテイペンギン Image by Siggy Nowak from Pixabay
現生ペンギンとは異なる骨格
クロスヴァリア属の足の骨は現生のペンギンと大きく異なっている。
解剖学的な研究から明らかになったのは、クロスヴァリアは今のペンギンよりも泳ぎに足を多用していたか、あるいはまっすぐ直立した姿勢に適応していなかったか、どちらかであることだ。
こうした発見は、6600万年前に非鳥類型恐竜が絶滅して程なくペンギンが巨大化したさらなる証拠でもある、とカンタベリー博物館のヴァネサ・デ・ピエトリ氏は言う。
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image credit:Canterbury Museum
なぜかつてのペンギンは巨大で、今のペンギンは小さいのか?
海鳥にとって大きな体にメリットがあるのは特に驚きではない、と説明するのは米ブルース博物館のダニエル・クセプカ氏(研究には不参加)だ。
一般に、大きな動物ほど、体温維持の効率性が上がり(ペンギンにとって非常に重要)、深くかつ長い間潜っていられるようになります。エサの選択肢も増えるし、小さな敵から身を守りやすくもなります。
大きな体が有利だというのならば、なぜ今日のペンギンは小さくなってしまったのか?
その答えははっきりとしておらず、今も研究が進められている最中だ。
だが、アシカなどのひれ足動物の台頭が大きな要因だった可能性がある。彼らが周辺の海で勢力を伸ばし始めた時期は、巨大ペンギンが姿を消し始めた時期でもあるのだ。
ひれ足動物は捕食者や同じエサを狙う競合者としてペンギンと争っただけでなく、巣を作るために必要な繁殖地をも奪い去ったのかもしれない。
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Image by melissa2760 from Pixabay
史上最大のペンギンは?
ちなみに、どんな世界にも上には上がいるもので、じつはC・ワイパレンシスは史上最大のペンギンではない。
ペンギン界史上最大の座は4800~3500万年前の始新世に存在したココロイデスペンギン(Palaeeudyptes klekowskii)だ。こちらは身の丈2メートル、体重115キロというさらに巨大なペンギンだ。
同じく始新世、南極とニュージーランドの海岸には、身長が180センチほどのアンスロポルニス(Anthropornis)なども存在していたそうだ。
なお、カンタベリー博物館は今年、古代の巨大鳥の化石展を予定してるそうなので、興味のある人はニュージーランドの観光ついでに立ち寄ってみるといいかもだ。
以下はカンタベリー博物館のサイト上で公開されているC・ワイパレンシスと女性の3Dモデルである。ドラッグすることで視点を変更することができる。
A life size model of Crossvallia waiparensis
by Canterbury Museum
on Sketchfab
この研究は『Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology』(8月12日付)に掲載された。
References:Newly Discovered 'Monster' Penguin Was As Tall As an Adult Human | Live Science/
☆今、生きて立って乱獲して絶滅寸前にしとるわい!