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人間にとってはとても簡単なことなのに、機械にとっては意外と難しい。といった事例はよくある。
自動運転車を制御できてしまうような高性能のAI(人工知能)であってすら、無意味でランダムなパターンを電車やフェンスといったものを見間違ってしまうことがあるのだ。
人間が見たら、そんなバカな間違いをするはずがない?
しかしアメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学の研究によれば、ほとんどの人がAIと同じようにものを見ることができるのだという。
つまり人間はAIになりきって、AIが出す答えと同じ答えを出すことが可能なのだ。何を言っているかわからない?
まずはこの動画を見てほしい。
Can You Think Like A Machine?
人工知能はある種の画像に騙されやすい。人間の目にも 紛らわしい画像が AIのように見えているのだろうか?自分がAIになったとして考えてみよう!
AIにはどちらに見えている?(正解は動画内でわかる)
(A) 火山 (B) 瓦の屋根
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(A) 貨物車両 (B) スクールバス
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(A) サッカーボール (B) スキーマスク
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(A) 信号機 (B) 電話
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人間とAIの答えは75%一致するという。 あなたはどうだった?
人間とAIの得意分野の違い
人間にとって簡単なことが、コンピューターには難しいということはよくあることだ。
AI(人工知能)は数学や膨大な量の情報を記憶するといったことについては、人間よりずっと得意だった。
逆に、犬と猫、テーブルと椅子といったさまざまな物体を見分ける力なら、人間の方がはるかに優れていた。
しかし最近のニューラルネットワークは脳の働きを真似して、そうした認識能力でも人間に匹敵するようになった。
自動運転車や顔認証システムといった技術が登場するようになったのは、そうしたことが背景にある。
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image credit:youtube
正しく認識できない画像を意図的に作り出せる問題
このように技術は発展したが、それでも致命的な盲点が残されている。ニューラルネットワークが正しく認識できないような画像を意図的に作り出すことが可能なのだ。
こうした「敵対的画像(adversarial image)」や「欺瞞画像(fooling image)」と呼ばれる画像は大きな問題である。
ハッカーなどに突かれてセキュリティ上のリスクになるといったことだけではない。それはまた、人間と機械がまったく別の見方でものを見ているということをも示している。
たとえば、AIの目には、ピクセルを1、2個変更するだけでリンゴが車に見えてしまったり、まったく無意味なテレビのノイズがアルマジロやベーグルに見えてしまったりする。
そんなつまらない間違いは人間なら絶対にしないと思うかもしれない。
だがそうでもないのだ。
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何に見えるかな? AIの目には、(左から)デジタル時計、クロスワードパズル、オウサマペンギン、アサルトライフルに見える。
人間はAIと同じように画像を判断する
ジョンズ・ホプキンス大学のシャズ・ファイアストーン氏らが確かめようと思ったのもこの点だった。
そこで、人に「AIのように考えてもらう」という実験を行なった。
実験では、被験者に欺瞞画像を見せ、それがAIには何に見えているか二択(1つは、AIの回答)で回答してもらった。その結果、その答えはAIの答えとほとんど同じだったのである。
被験者は、75%の確率でAIの答えを言い当てることができたのだ。それどころか98%の人がAIのように回答する傾向があった。
実験ではさらに、二択の内容をAIが推測した第一候補と第二候補にして、先ほどと同様に被験者に質問した。
すると、こちらでも91%が第一候補がAIの答えであると回答できた。
それどころか、選択肢を48個に増やして、画像をテレビの砂嵐ノイズにしたときですら、圧倒的な人数の人が、AIの回答を言い当てることができた。
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何に見えるかな? AIの目には、左から)エレキギター、ヨウム、イチゴ、クジャクに見える。
先ほども述べたように、AIの物体識別能力には、人間なら絶対に犯さないようなミスをやってしまうという、致命的な欠陥があるものだと考えられてきた。
しかし今回の結果を見る限りでは、人間はAIの識別能力をよく理解しているようだ。同じように見ることができるので、それをすり合わせていくことで、より人間の見方に近づいたAIの開発が可能になるということなのだろうか?
この研究は『Nature Communications』に掲載された。
References:Do you see what AI sees? Study finds that humans can think like computers | Hub/
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