ラクマも宜しくお願い致しますm(__)m
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脳の不思議な現象を現す言葉はなぜかフランス語が語源となることが多い。例えば一度も体験したことがないのに、既にどこかで体験したことのように感じることをデジャヴュ(Deja vu)、逆に既に体験していることなのに、一度も体験したことがないと感じることをジャメヴュ(Jamais vu)と言う。
そして今回説明するのは「プレスクヴュ(presque vu)」である。この言葉は、思い出そうとすることが喉まで出かかっているのに思い出せない、ほとんど分かりかけているのにはっきりとしない現象のことを意味する。
絶対に知っているはずなのに出てこないあのもどかしい感覚のことだ。
知っていることなのに肝心の部分をド忘れしてしまうプレスクヴュ
研究によると、プレスクヴュは9割以上の人が経験しているというのだから相当に一般的なものだ。心理学用語だと「舌先現象」が一番近い。
そして年齢が上がったり、疲れていたりするとその頻度が上がることも判明している。
こうした場合によくあるプレスクヴュは、最初の文字は思い出せるのにそこから先が出てこないといったものだ。
あるいはある話題についてとても詳しいはずなのに、たったひとつのことだけド忘れしてしまっているといったケースもある。
知っていることなのにそれが何なのかという肝心の部分が思い出せない。
私たちはみな物忘れをする。そもそも情報をそう毎度毎度反芻したりはしない。ということは、そうしていない間は忘れているわけで、必要なときにその都度後になって思い出しているのだ。
だが、ときどきどんなに頑張って思い出そうとしても思い出せないことがある。そうなる理由については主にふたつの理論が提唱されている。
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脳の記憶のサインが弱すぎるとする「直接アクセス理論」
まずひとつめは「直接アクセス理論(Direct Access Theory)」だ。
この理論によれば、脳は記憶のサインを送れるくらいには憶えているのに、それを思い出すにはサインが弱すぎる場合にプレスクヴュが起きるのだと考える。
すると記憶の存在は感じることができるのに、その内容を思い出すことができない。
そうなる理由について、次の三つの仮説がある。
1. 阻害説
記憶を回収する手がかりは実際の記憶の近くにあるが、かといってすぐ側というわけでもない。このために実際の言葉を思い出せなかったりする。
2. 不完全活性化説
ターゲットとなる記憶が思い出されるくらいには活性化されていない。しかし、その存在は感じることができる。
3. 伝達欠陥説
意味論的・音韻論的情報が保存され、思い出されるやり方はそれぞれ異なる。
それゆえに記憶の意味論的(語学的)刺激によって音韻論的記憶を十分に活性化できないことがある。
言おうとしている言葉が喉元まで出かかっているのに言えないのはそのためだ。
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与えられた手がかりから十分推論できないとする「推論理論」
もうひとつは「推論理論(Inferential Theory)」で、記憶を思い出すために与えられた手がかりから十分推論できないときにプレスクヴュが起きると考える。
その理由について、こちらには二つの説がある。
1. 手がかり親密性説
私たちは特定の言語シグナルとの関係性を作っているが、あまり親しみのない手がかりだとそれを認識できず、情報を思い出しにくくなる。
2. アクセシビリティ・ヒューリスティック説
強力な情報をたくさん持ちすぎていると、記憶自体ではなく文脈ばかりが思い出されてしまうために内容がわからない。
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プレスクヴュは心配なものか?
プレスクヴュはデジャヴと同じく一般的な現象だが、気になる具合ではずっと上だ。
だが心配する必要はない。普通に暮らしていれば、物事を憶えては忘れていく。あることが脳内で繰り返されない限りは、すべてを憶えておくなど不可能なのだ。
だから全般的に記憶力が衰えているというのでなければ、特に心配する必要はない。物忘れは普通のことだ。
また、プレスクヴュはごく普通に起きることであり止めようと思って止められるものではない。大抵の場合は、気にしないで忘れてしまうのがベストだろう。
無理やり思い出そうとしてもストレスになるだけだ。案外、思い出そうとするのを止めたときにふと思い出すものだ。
脳は複雑な器官であってその完全な理解にはまだいたっていない。
科学者であってもきちんと説明できない現象はたくさんある。脳が物事を処理したり、記憶したりする仕組みはまだまだ研究の途中なのだ。
プレスクヴュの原因がすぐに解明されることはないかもしれないが、確かなことはそれが世界最高の頭脳の持ち主にも起きるということだ。
References:Learning mindなど
☆ボケの始まりでなくてよかった!
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脳の不思議な現象を現す言葉はなぜかフランス語が語源となることが多い。例えば一度も体験したことがないのに、既にどこかで体験したことのように感じることをデジャヴュ(Deja vu)、逆に既に体験していることなのに、一度も体験したことがないと感じることをジャメヴュ(Jamais vu)と言う。
そして今回説明するのは「プレスクヴュ(presque vu)」である。この言葉は、思い出そうとすることが喉まで出かかっているのに思い出せない、ほとんど分かりかけているのにはっきりとしない現象のことを意味する。
絶対に知っているはずなのに出てこないあのもどかしい感覚のことだ。
知っていることなのに肝心の部分をド忘れしてしまうプレスクヴュ
研究によると、プレスクヴュは9割以上の人が経験しているというのだから相当に一般的なものだ。心理学用語だと「舌先現象」が一番近い。
そして年齢が上がったり、疲れていたりするとその頻度が上がることも判明している。
こうした場合によくあるプレスクヴュは、最初の文字は思い出せるのにそこから先が出てこないといったものだ。
あるいはある話題についてとても詳しいはずなのに、たったひとつのことだけド忘れしてしまっているといったケースもある。
知っていることなのにそれが何なのかという肝心の部分が思い出せない。
私たちはみな物忘れをする。そもそも情報をそう毎度毎度反芻したりはしない。ということは、そうしていない間は忘れているわけで、必要なときにその都度後になって思い出しているのだ。
だが、ときどきどんなに頑張って思い出そうとしても思い出せないことがある。そうなる理由については主にふたつの理論が提唱されている。
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脳の記憶のサインが弱すぎるとする「直接アクセス理論」
まずひとつめは「直接アクセス理論(Direct Access Theory)」だ。
この理論によれば、脳は記憶のサインを送れるくらいには憶えているのに、それを思い出すにはサインが弱すぎる場合にプレスクヴュが起きるのだと考える。
すると記憶の存在は感じることができるのに、その内容を思い出すことができない。
そうなる理由について、次の三つの仮説がある。
1. 阻害説
記憶を回収する手がかりは実際の記憶の近くにあるが、かといってすぐ側というわけでもない。このために実際の言葉を思い出せなかったりする。
2. 不完全活性化説
ターゲットとなる記憶が思い出されるくらいには活性化されていない。しかし、その存在は感じることができる。
3. 伝達欠陥説
意味論的・音韻論的情報が保存され、思い出されるやり方はそれぞれ異なる。
それゆえに記憶の意味論的(語学的)刺激によって音韻論的記憶を十分に活性化できないことがある。
言おうとしている言葉が喉元まで出かかっているのに言えないのはそのためだ。
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与えられた手がかりから十分推論できないとする「推論理論」
もうひとつは「推論理論(Inferential Theory)」で、記憶を思い出すために与えられた手がかりから十分推論できないときにプレスクヴュが起きると考える。
その理由について、こちらには二つの説がある。
1. 手がかり親密性説
私たちは特定の言語シグナルとの関係性を作っているが、あまり親しみのない手がかりだとそれを認識できず、情報を思い出しにくくなる。
2. アクセシビリティ・ヒューリスティック説
強力な情報をたくさん持ちすぎていると、記憶自体ではなく文脈ばかりが思い出されてしまうために内容がわからない。
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プレスクヴュは心配なものか?
プレスクヴュはデジャヴと同じく一般的な現象だが、気になる具合ではずっと上だ。
だが心配する必要はない。普通に暮らしていれば、物事を憶えては忘れていく。あることが脳内で繰り返されない限りは、すべてを憶えておくなど不可能なのだ。
だから全般的に記憶力が衰えているというのでなければ、特に心配する必要はない。物忘れは普通のことだ。
また、プレスクヴュはごく普通に起きることであり止めようと思って止められるものではない。大抵の場合は、気にしないで忘れてしまうのがベストだろう。
無理やり思い出そうとしてもストレスになるだけだ。案外、思い出そうとするのを止めたときにふと思い出すものだ。
脳は複雑な器官であってその完全な理解にはまだいたっていない。
科学者であってもきちんと説明できない現象はたくさんある。脳が物事を処理したり、記憶したりする仕組みはまだまだ研究の途中なのだ。
プレスクヴュの原因がすぐに解明されることはないかもしれないが、確かなことはそれが世界最高の頭脳の持ち主にも起きるということだ。
References:Learning mindなど
☆ボケの始まりでなくてよかった!