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賃金が上昇し、住宅ローンの利率が下がっているアメリカであるが、平均的なアメリカ人にとって、国内の7割の地域の家はまだまだ高すぎて手が出ないのだそうだ。
米国内473郡を対象に分析したATTOMデータソリューションズのレポートによると、335郡の住宅平均価格は、平均的な賃金を得ている人が支払える額よりも高かったことが判明した。
住宅費の負担が一番大きいのはニューヨークシティ
住宅を購入する際、所得に占めるその割合が一番大きかったのは、ニューヨーク州のニューヨークシティだ。
全国平均で見ると、家の購入費には所得の3分の1ほどが充てられる。
しかしニューヨークシティのブルックリン区とマンハッタン区であれば、所得の115パーセント以上を支払わねばならない。
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photo by pixabay
同様に、カリフォルニア州サンフランシスコは103パーセント、ハワイ州マウイ郡は101パーセントとかなり高額だ。
一方でシカゴ、クリーブランド、ヒューストン、デトロイト、フィラデルフィアでは、住宅価格はお手頃なものだった。
じりじりと買い手市場へ
それでも、ざっくり言えば、1年前と比べて住宅価格は手頃になっている。いくつもの地域で住宅価格の上昇は続いているが、下落へ転じている地域もあるからだ。
住宅価格の高騰は、建設に以前より時間がかかるようになっており、さらに所有者も長く住むようになったことが背景にある。このために市場に供給される売り物件が減少し、それが価格を押し上げている。
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photo by pixabay
しかし、利率が上がらず、昨年実施された減税の影響が完全に消えないかぎりは、今後の市場は買い手に有利なようになるかもしれない。
ATTOMデータソリューションズのトッド・テータ氏によれば、家を買いたいと考えている多くの人々にとって住宅価格が高すぎるという単純な事実のために、値ごろ感は改善するかもしれないそうだ。
住宅ローンの融資基準引き締め
今日のアメリカの住宅市場は例の住宅危機が発生した10年前に比べても手頃だ。
サブプライムローン問題を発端とした金融危機以前、住宅価格は現在より高いか、だいたい同じくらいであったが、所得はインフレの影響を考慮して調整したとしても低かった。
しかし、サブプライムローンが蔓延し、本来なら家を買う余裕のない人たちにも住宅購入を可能にしていたことが、こうした条件を相殺していた。
当時、市場を後押ししていたのはゆるい融資基準で、住宅の入手可能性の問題を埋め合わせていた、とテータ氏は言う。
金融危機以来、住宅ローンの融資基準は引き締められていたが、さらに3月、住宅都市開発省は一層の引き締めを決定。多くのアメリカ人にとって、住宅の所有はさらに難しいものとなってしまったという。
以下の画像は海外掲示板に投稿されていた、アメリカの住宅事情を変化を過去と比較したものだ。揶揄的な意味も含まれているが、今の方が自由気ままに生きられるという意味でもあるのかな?
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image credit:How times have changed
References:Housing market 2019: Average Americans can't afford a home in 70 percent of the country - CBS News/
ところ変わって日本では、家の所有云々よりも、「住みたい街ランキング」が毎年発表され話題となっている。
SUUMOの調べによると、
◆関東
1位:横浜(神奈川県)
2位:恵比寿(東京都)
3位:吉祥寺(東京都)
4位:大宮(埼玉県)
5位:新宿(東京都)
6位:品川(東京都)
7位:目黒(東京都)
8位:浦和(埼玉県)
9位:武蔵小杉(神奈川県)
10位:鎌倉(神奈川県)
◆関西
1位:西宮北口(兵庫県)
2位:梅田(大阪府)
3位:神戸三宮(兵庫県)
4位:なんば(大阪府)
5位:夙川(兵庫県)
6位:岡本(兵庫県)
7位:京都(京都府)
8位:天王寺(大阪府)
9位:江坂(大阪府)
10位:千里中央(大阪府)
となっている。
だが、aruhi社による「本当に住みやすい街」ランキングは異なっており、関西や九州などの結果はまだ発表になっていないが、関東の場合だと、
◆本当に住みやすい街(関東)
1位:赤羽(東京都)
2位:南阿佐ヶ谷(東京都)
3位:日暮里(東京都)
4位:川口(埼玉県)
5位:柏の葉キャンパス(千葉県)
6位:勝どき(東京都)
7位:南千住(東京都)
8位:千葉ニュータウン(千葉県)
9位:小岩(東京都)
10位:矢向(神奈川県)
だそうだ。家を買うということは人生の一大イベントだから、いろいろ参考にするとよいのかもしれない。っていうか先立つものが先か。
☆俺の愛する町、三ノ宮は3位か!