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1896年、アイスランドで生まれた作家兼詩人のヤッフム・マグヌス・エガートソンは、ちょっと特異な人物だ。自らをスカッジ(シャドウ)と呼び、たびたび権力者や教育エリートを批判し、アイスランドの歴史や文化についての因習的な知識に対抗した。
『ガルスキナ(黄金の皮膚)』と呼ばれる失われた秘密の書物の27ページ分をもっていると主張し、30年を費やして、80の古い写本から北欧の呪文を研究して、白魔術の本『魔術師の手紙』を1940年に出版した。2013年にアイスランド語で再販されると、アイスランドの出版社レストファンが、初めて英語に翻訳した。
それぞれの呪文は、『スターヴ(樽板、柱)』と呼ばれるシンボルで構成されていて、ルーン文字が添えられている。ルーン文字はヨーロッパで長い歴史をもち、特に人が住み始めて100年以上も、キリスト教に改宗せず、ラテンアルファベットも使わなかったアイスランドにゆかりがある。フサルクアルファベットであるルーン文字は、たいてい岩や木に刻みつけられ、いくつかのパワーをもつという。
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アイスランドにおける呪文と魔術の歴史
この本を出版したレストファンのサルステイン・スルメリによると、アイスランドで最後のカトリックの司祭とそのふたりの息子が斬首された宗教改革後、ルター派教会がルーン文字のシンボルを使うのを厳しく禁止したのだが、それでも魔術の呪文は頻繁に使われるようになったという。1654年から1690年の間は魔術時代と呼ばれているが、それは魔術のシンボル使うケースが相当多くあったからだ。
魔術を使った、または魔術本を持っていたかどで、200人近くの人が告発され、火あぶりになった。だがこれらのほとんどは、魔術は自分の利益のために使い、誰かを傷つけることはいけないとされていた白魔術だったと言われている。
アイスランドでの最後の魔女狩りは1700年だが、それ以降、魔術はアイスランド文化の一部になったという。アイスランド人はいまだになんらかの方法で魔力を使うという説には疑問はあるが、以前ほどではないにしても、その伝統は残っている。それはアイスランド人の独自性の一部であり、シンボルをタトゥーや装飾として使ったり、本を出版したりというように魔術に言及するのが好きな理由だ。
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ヤッフム・マグヌス・エガートソンの『魔法使いの手紙』に出てくる呪文は、水や幽霊からあなたを守り、女性にもてたり、穏やかに眠れる方法まで、あらゆることに効くものだという。
エガートソンは黒魔術の本も出そうと思っていたが、その余裕がなかった。シンボルと魔術の世界はとても広大なので、彼は『魔術師の手紙』で十分だと思ったのかもしれない。あるいは黒魔術は一般の人にとってはとても危険だと考えたのかもしれない。
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それでは『魔術師の手紙』から9つの呪文をみていこう。材料の調達が無理ゲーだが、もしかしたら本当に効いちゃうような気がしてきた。
1. ゴーストスターヴ
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このスターヴ(樽板、柱)をヒイラギガシかドイツトウヒに刻み込むと、幽霊を見ることができる。
2. 死者を蘇らせ悪霊を追い払い、怨霊を退散させるスターヴ
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アザラシ、キツネ、人間の血を混ぜたもので、次の詩を唱えながら馬の頭にこのスターヴを記す。
たくさんの血が流れ、
戦士たちはだんだん疲れ果てる
国家は何世紀も苦難や大殺戮を耐え、
人は死に、富は失われ、貧しい人々は遠ざけられる。
人々がひどく恐れる大虐殺が嵐のように荒れ狂い、
災い、深い後悔の念、容赦ない戦争がはびこる。
邪悪な騒ぎが世界を悩ます。
3. 空飛ぶ魔女のスターヴ
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魔女のように大空をかけめぐりたい人は、希望者本人と馬の両方の血を混ぜたもので漂白した馬の頭蓋骨にこのスターヴを記す。
馬の右の前足の蹄の軟骨部の下からの血を2、人間の左足の親指の下からの血を1の割合で混ぜ合わせる。鶏の羽を使って描き、馬具を持つ者は、空中でも水中でも好きなところへ飛ぶことができる。
この手綱は埋葬されたばかりの男を掘り出し、背骨の長さに切り取った皮膚から作る。死んだ男の頭の皮を剥がし、これがくつわに使われる。死んだ男の舌骨はくつわのはみ、腰骨はくつわの両側の棒になる。馬具を馬の頭に乗せると、誰が乗っても空中を飛ぶことができる。好きなところへ稲妻よりも速く飛べる。
4. 恐怖を遠ざけるスターヴ
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カラスの胆汁で黒い紙の上にこのスターヴを描き、それをカラスの巣に置く。カラスが卵をかえすまでそのままにしておく。その後、紙を取り去れば大いに効果が表れる。たとえ、大勢の敵に攻撃され殺されそうになっても、スターヴがあなたを守ってくれる。敵に対峙したとき、これを前に掲げると、敵にはこれが無数の黒いドラゴンとして見え、彼らを骨抜きにすることができる。
5. 睡眠の悩みを解消するスターヴ
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オークの木にこのスターヴを刻み、その溝にあなたの血で色をつけて、人の頭の上にこっそり置く。
6. 過去も未来も世界中のすべてを見ることができる鏡
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鏡は長年、後ろも前も、世界中を示してきた。このスターヴは戸外に出たことのない子牛の皮の上に、カラスの涙と、心から愛し合っているがまだ契りを交わしていない人間の男女の心臓の血を混ぜ、クイナの羽を使って描く。
ミルラ(香気のある樹脂)をそのスターヴ全体にふりかけ、乾いたら、冬でも夏でも温度が一定の泉へ向かう。鳥が飛んでいない日に確実にスターヴを下向きにしてそ泉の水に静かにおく。スターヴをそのままにして、泉のまわりを反時計まわりに4回回る。水からスターヴを取りあげて覗き込むと、そのスターヴを描いた者には世界中が見えるという。東西南北を通して前も後ろもすべてが見通せる。スターヴは羊膜の中に封印し、使わないときは決して取り出さない。
7. 幽霊に取り憑かれないスターヴ
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キツネの皮にこのスターヴを刻み込んで、あなたの右の薬指の血で色をつけると、幽霊に取りつかれることはないという。
8. 望みの夢を見るスターヴ
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月の月齢が三日目のときに、亜炭の上にサメの脊椎で刻み込み、それをあなたの頭の下に置くと、望みの夢をみることができるという。
9. 死者を生き返らせるためのスターヴ
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オークの木に刻み込み、溝に血で色をつける。血は右足の親指、左手の親指からのものを使う。このスターヴを墓の上に置き、時計まわりに3回、反時計まわりに3回教会のまわりを回る。
墓から3度土が噴き出すかどうか注意深く確認する。3度目には頭を上にして死者が現われるので覚悟が必要だ。すぐに首をつかんできつく絞めあげ、離せと言われるまでつかんだままでいる。死者が活気づいたら、もっと強力な方法や複数の魔術師が必要になる。
via:mentalfloss
☆早く、日本語でも出版してくれぇ!
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1896年、アイスランドで生まれた作家兼詩人のヤッフム・マグヌス・エガートソンは、ちょっと特異な人物だ。自らをスカッジ(シャドウ)と呼び、たびたび権力者や教育エリートを批判し、アイスランドの歴史や文化についての因習的な知識に対抗した。
『ガルスキナ(黄金の皮膚)』と呼ばれる失われた秘密の書物の27ページ分をもっていると主張し、30年を費やして、80の古い写本から北欧の呪文を研究して、白魔術の本『魔術師の手紙』を1940年に出版した。2013年にアイスランド語で再販されると、アイスランドの出版社レストファンが、初めて英語に翻訳した。
それぞれの呪文は、『スターヴ(樽板、柱)』と呼ばれるシンボルで構成されていて、ルーン文字が添えられている。ルーン文字はヨーロッパで長い歴史をもち、特に人が住み始めて100年以上も、キリスト教に改宗せず、ラテンアルファベットも使わなかったアイスランドにゆかりがある。フサルクアルファベットであるルーン文字は、たいてい岩や木に刻みつけられ、いくつかのパワーをもつという。
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アイスランドにおける呪文と魔術の歴史
この本を出版したレストファンのサルステイン・スルメリによると、アイスランドで最後のカトリックの司祭とそのふたりの息子が斬首された宗教改革後、ルター派教会がルーン文字のシンボルを使うのを厳しく禁止したのだが、それでも魔術の呪文は頻繁に使われるようになったという。1654年から1690年の間は魔術時代と呼ばれているが、それは魔術のシンボル使うケースが相当多くあったからだ。
魔術を使った、または魔術本を持っていたかどで、200人近くの人が告発され、火あぶりになった。だがこれらのほとんどは、魔術は自分の利益のために使い、誰かを傷つけることはいけないとされていた白魔術だったと言われている。
アイスランドでの最後の魔女狩りは1700年だが、それ以降、魔術はアイスランド文化の一部になったという。アイスランド人はいまだになんらかの方法で魔力を使うという説には疑問はあるが、以前ほどではないにしても、その伝統は残っている。それはアイスランド人の独自性の一部であり、シンボルをタトゥーや装飾として使ったり、本を出版したりというように魔術に言及するのが好きな理由だ。
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ヤッフム・マグヌス・エガートソンの『魔法使いの手紙』に出てくる呪文は、水や幽霊からあなたを守り、女性にもてたり、穏やかに眠れる方法まで、あらゆることに効くものだという。
エガートソンは黒魔術の本も出そうと思っていたが、その余裕がなかった。シンボルと魔術の世界はとても広大なので、彼は『魔術師の手紙』で十分だと思ったのかもしれない。あるいは黒魔術は一般の人にとってはとても危険だと考えたのかもしれない。
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それでは『魔術師の手紙』から9つの呪文をみていこう。材料の調達が無理ゲーだが、もしかしたら本当に効いちゃうような気がしてきた。
1. ゴーストスターヴ
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このスターヴ(樽板、柱)をヒイラギガシかドイツトウヒに刻み込むと、幽霊を見ることができる。
2. 死者を蘇らせ悪霊を追い払い、怨霊を退散させるスターヴ
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アザラシ、キツネ、人間の血を混ぜたもので、次の詩を唱えながら馬の頭にこのスターヴを記す。
たくさんの血が流れ、
戦士たちはだんだん疲れ果てる
国家は何世紀も苦難や大殺戮を耐え、
人は死に、富は失われ、貧しい人々は遠ざけられる。
人々がひどく恐れる大虐殺が嵐のように荒れ狂い、
災い、深い後悔の念、容赦ない戦争がはびこる。
邪悪な騒ぎが世界を悩ます。
3. 空飛ぶ魔女のスターヴ
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魔女のように大空をかけめぐりたい人は、希望者本人と馬の両方の血を混ぜたもので漂白した馬の頭蓋骨にこのスターヴを記す。
馬の右の前足の蹄の軟骨部の下からの血を2、人間の左足の親指の下からの血を1の割合で混ぜ合わせる。鶏の羽を使って描き、馬具を持つ者は、空中でも水中でも好きなところへ飛ぶことができる。
この手綱は埋葬されたばかりの男を掘り出し、背骨の長さに切り取った皮膚から作る。死んだ男の頭の皮を剥がし、これがくつわに使われる。死んだ男の舌骨はくつわのはみ、腰骨はくつわの両側の棒になる。馬具を馬の頭に乗せると、誰が乗っても空中を飛ぶことができる。好きなところへ稲妻よりも速く飛べる。
4. 恐怖を遠ざけるスターヴ
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カラスの胆汁で黒い紙の上にこのスターヴを描き、それをカラスの巣に置く。カラスが卵をかえすまでそのままにしておく。その後、紙を取り去れば大いに効果が表れる。たとえ、大勢の敵に攻撃され殺されそうになっても、スターヴがあなたを守ってくれる。敵に対峙したとき、これを前に掲げると、敵にはこれが無数の黒いドラゴンとして見え、彼らを骨抜きにすることができる。
5. 睡眠の悩みを解消するスターヴ
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オークの木にこのスターヴを刻み、その溝にあなたの血で色をつけて、人の頭の上にこっそり置く。
6. 過去も未来も世界中のすべてを見ることができる鏡
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鏡は長年、後ろも前も、世界中を示してきた。このスターヴは戸外に出たことのない子牛の皮の上に、カラスの涙と、心から愛し合っているがまだ契りを交わしていない人間の男女の心臓の血を混ぜ、クイナの羽を使って描く。
ミルラ(香気のある樹脂)をそのスターヴ全体にふりかけ、乾いたら、冬でも夏でも温度が一定の泉へ向かう。鳥が飛んでいない日に確実にスターヴを下向きにしてそ泉の水に静かにおく。スターヴをそのままにして、泉のまわりを反時計まわりに4回回る。水からスターヴを取りあげて覗き込むと、そのスターヴを描いた者には世界中が見えるという。東西南北を通して前も後ろもすべてが見通せる。スターヴは羊膜の中に封印し、使わないときは決して取り出さない。
7. 幽霊に取り憑かれないスターヴ
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キツネの皮にこのスターヴを刻み込んで、あなたの右の薬指の血で色をつけると、幽霊に取りつかれることはないという。
8. 望みの夢を見るスターヴ
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月の月齢が三日目のときに、亜炭の上にサメの脊椎で刻み込み、それをあなたの頭の下に置くと、望みの夢をみることができるという。
9. 死者を生き返らせるためのスターヴ
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オークの木に刻み込み、溝に血で色をつける。血は右足の親指、左手の親指からのものを使う。このスターヴを墓の上に置き、時計まわりに3回、反時計まわりに3回教会のまわりを回る。
墓から3度土が噴き出すかどうか注意深く確認する。3度目には頭を上にして死者が現われるので覚悟が必要だ。すぐに首をつかんできつく絞めあげ、離せと言われるまでつかんだままでいる。死者が活気づいたら、もっと強力な方法や複数の魔術師が必要になる。
via:mentalfloss
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